災害備蓄品をどこに置いておけばいいのか… 多数の家屋倒壊から見えた課題 能登半島地震

(夏目みな美キャスター)被災地を取材したCBC報道部の当麻葵記者です。能登半島のどの辺りを取材したんでしょうか。(当麻葵記者)我々は地震発生2日後の1月3日から6日までの4日間、主に輪島市、珠洲市、能登町を取材してきました。
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取材中にも揺れが続いていて、輪島市のビルが倒壊した現場では、揺れがあるたびに、消防隊員が安全確保のためビルの外に急いで出てくるという状況が繰り返されていました。土砂崩れや家屋が倒壊した現場で救助活動を行う人たちは、少しの揺れでも危険な状況で、こうした続く揺れによって救助活動が難航しているということが考えられます。
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(夏目キャスター)能登半島では「有感地震」という震度1以上の揺れが、これまで1000回以上観測されています。(大石邦彦アンカーマン)その揺れが救助だけではなく、その後の救援・支援にも影響を与えています。1000回の内訳を見てみましょう。
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震度1以上の地震が1月1日は359回。2日が最も多く400回を超えました。その後3日は176回で徐々に減ってきていますが、注目すべきは震度5弱以上の地震が15回もあったということ。1000回以上の地震というのは、被災地の皆様も不安で不安でしょうがなかったのではないですか。
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(当麻記者)本当に皆さん不安で眠れない日々を過ごしてると思います。我々も車中泊を続けていたんですが、少し風が吹いて車が揺れる、また一緒に乗っている人が少し動いて車が揺れるだけでも「地震が来たんじゃないか」とすごく怖くて目を覚ましてしまう日もありました。
(夏目キャスター)支援の妨げになっているものというと、道路の崩落などもまだ多いんですよね。
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(当麻記者)能登半島は幹線道路が非常に少ないという特徴があります。道路は崩落などの破損がとてもひどい状況となっています。七尾市から珠洲市に移動するにも、通常は2時間あれば移動できるそうですが、我々は5時間ほどかかりました。道路の崩落などで片道通行しかできないところもあり、アクセスしづらい状況が続いています。
(夏目キャスター)能登地方では7日から雪が降っています。この雪も心配ですね。
(当麻記者)我々が現地に行った時はまだ雪は降っていませんでしたが、道路の段差ができている部分を雪が覆うことによって「被害が見えない」その場所を進むと「車がこの溝にはまってしまう」といったことも考えられると思います。
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(夏目キャスター)この雪が土砂崩れなどまた別の災害を引き起こすことも考えられます。
(大石アンカーマン)道路の寸断の状況がここまでひどい例というのは、なかなかないのではないでしょうか。
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道路の被害状況です。通行止めが38路線で85か所なんですが、これは国道や県道だけの数です。例えば輪島市や珠洲市の市道や能登町の町道は含まれていないので、実際はもっと多いと考えられます。また、土砂崩れや道路の隆起などで22地区、3123人が孤立集落となっています。
(当麻記者)孤立集落においてでも消防隊が崖を上り下りしてやっと物資が届けられる、指定されていない避難所には全く物資が入っていないという状況があります。避難する場所によって大きな差が生じていました。
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(夏目キャスター)当麻記者は、地震発生6日後まで取材をしていたということなんですが、生活に関わるインフラ、水や電気などはどういう状況だったんでしょうか。(当麻記者)地域によって差がありますが、指定されていない避難所には6日にやっと電気が届いたという情報もありました。また、携帯会社の方が一生懸命頑張って少しずつ電波も戻りつつある状況なんですが、依然として多くのところで断水が続いています。
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(大石アンカーマン)今回は高齢化率の高い過疎地で地震が起きた時の恐ろしさを見せつけられたような気がいたします。では、このように大きな地震が名古屋で起きたらどうなるのか。名古屋市には高いビルがたくさんあるので、その辺の耐震はどうなのかというのを今一度調べないといけないのかと思います。
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(当麻記者)今回のことで大きく2つ考えないといけないことがあると思っています。まず1つは、電気もない、テレビもない、そしてスマートフォンも使えない場合にどうやって情報を集めるのか、これを改めて我々は考えないといけないと感じました。そして2つ目は、これまでは家で災害に備えて食料などの備蓄をすすめられていたと思いますが、今回のように家が倒壊してしまった場合に、我々はどこに災害のために備えをする必要があるのか、この2点を考える必要があるなと感じました。
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(夏目キャスター)被災地の支援はもちろんですが、個人で自治体でいろんな対策が必要だということを考えさせられます。