生活困窮者へ無料でカレーライス 「いちカレ」事業スタート 市川市、週1回3店舗で

生活困窮者に無料でカレーライスを提供する市川市の支援事業「いちカレ」が26日、始まった。地元の和洋女子大生が考案した健康重視のオリジナルカレーが参加事業者の店舗で提供され、訪れた人はおいしそうに頬張った。自治体が直接困窮者に食事を支援する事業は全国的にも珍しいという。市は来年度も継続する方針。
いちカレ事業は、市内3事業者が参加して開始。コメはJAいちかわが無償提供し、市は実費分の食材費と1日1万円の運営費を負担する。
同日から毎週金曜日にカレーを提供する行徳キリスト教会の1階軽食店「G.CAFE」(同市押切)では朝からゴボウや大豆、ヒジキを入れた食物繊維豊富なカレー作りに追われた。最初に訪れたのは「不景気で会社を辞めさせられ、年金で1人暮らし」という市内在住の男性(70)。「こういう場所がもっと広がればいい」と喜んだ。初日は25人が食べに訪れた。
同教会とカフェを運営する山本真仕牧師(46)によると「生活に困っている。助けてほしい」と窮状を訴える電話や、毎週日曜日の礼拝で生活の悩みを漏らす若者が増えているという。市から「いちカレ」の募集があり「地域に開かれた教会として役に立てば」と手を挙げた。
参加事業者のうち、飲食店「Bite」(南行徳3)は29日から毎週月曜日、「Cafeレストラン いつものところ」(南八幡4)は31日から毎週水曜日に、同じレシピのカレーを無料提供する。
事業初日に現地を訪れた田中甲市長は「市北部にも新たな参加店が出てほしい」と今後の事業拡大に意欲を示した。