野田市応援歌、広がる活用 出身ナオト・インティライミさん制作 11日から東武駅の発車メロディー

野田市出身のシンガー・ソングライター、ナオト・インティライミさん(44)が市の応援歌「The Day」を制作し、温かい家庭の大切さを歌い上げた曲が市のイベントや授業で活用され、話題になっている。11日からは、東武野田線野田市駅の発車メロディーとして利用が始まる。駅高架化に伴い来月から同駅の新駅舎が使用開始となることもあり、市はイメージアップにも力を入れている。
ナオトさんは2012年にNHKの紅白歌合戦にも出場した人気歌手。22年春に鈴木有市長が曲の制作を直接依頼し、ナオトさんが快諾した。同年11月に発表されたアルバム「虹色∞オクターブ」にも収録されている。
同曲についてナオトさんは市に送ったビデオメッセージで「野田での食卓を思い出して書いた歌」と話し、「しょうゆの香りや自然豊かな野田を今でも思い出す。俺の人間性は野田での人々との関わり合いで形成された」と打ち明けている。
歌詞には「いちにちのおわりに みんなでかこむしょくたく」とのフレーズが繰り返され、食卓で「あのね もうね あしたいきたくない」と打ち明ける家族を「そっか そしたら あそびにいこっか」と優しく受け止めるパートも。22年12月に市ホームページにアップされた同曲のYouTubeは、再生数1万回を超えている。
市では、成人式の入場曲や市役所の業務終了時間を告げる庁内放送などとして同曲を利用。昨年8月の関宿まつり花火大会では、同曲に乗せたミュージック花火も打ち上げられた。市内の学校では昼休みに校内放送で流したり音楽の授業で歌ったりするほか、昨年10月の市内30小中学校が参加した音楽発表会では参加者と来場者全員で合唱した。
11日からは野田市駅で、同曲が発車メロディーに採用される。同駅は1911(明治44)年開設。駅前には市創業のしょうゆメーカー「キッコーマン」の工場がそびえ市の顔となっている。
発車メロディーは市が東武鉄道に要望した。市は約10秒への編曲や宣伝費など導入委託費220万円を同社に支払う。11日は同駅前で「新野田市駅オープンフェスタ」が開かれる予定で、ナオトさんからの新たなビデオメッセージとともに披露される。
市PR推進室は「親しみやすいリズムで家庭の大事さを訴える応援歌の価値は大きい。今後も使用を拡大し、曲の思いを伝えたい」と話している。