正社員の約半数が「仕事やはたらき方を自己決定している」 自己決定意識が高いほど仕事への満足度も高い傾向に

パーソルホールディングスは2月15日、「キャリアオーナーシップに関する実態調査」の結果を発表した。調査は2023年11月11日~13日、全国の20~59歳の正社員800人(性年代均等割付)を対象にインターネットで行われた。

「自分の仕事やはたらき方を自らの意志で決めることを意識していますか?」と聞いたところ、およそ半数が「意識している(「やや」も含む)」と回答。これまでを振り返り、「仕事内容」を自分の意志で決めることができたかと聞くと、自己決定を意識している層の71.7%が「自己決定できた」と回答したのに対し、自己決定を意識していない層は28.2%と、両者の差は43.5ptにもおよんだ。

一方、「はたらき方」については、全体の50.3%が「自己決定できた(おおよ+わりと)」と回答。やはり、自己決定を「意識している層」では71.3%と高く、「意識していない層」(20.5%)を大きく上回る結果に。

また、仕事への満足度について該当するものを選んでもらったところ、「はたらき方」を自己決定できた層は、他と比較して全体的に満足度が高い傾向に。特に「総合的に今の仕事に満足している」「仕事にやりがいを感じてきた」などでスコアが高かった。

次に、仕事内容を自己決定できた層に「自己決定できた場面」を尋ねたところ、全体、仕事内容を自己決定できた層ともに「仕事を通じた自身のスキルおよび経験蓄積について」(全体21.0%、31.7%)が最も多く、次いで「最初の就職での仕事内容について」(同17.8%、25.1%)、「学習や研修を通じた自身のスキルおよび経験蓄積について」(同16.0%、23.1%)、「勤務先内での仕事・プロジェクトの担当について」(同13.4%、18.9%)という結果に。

また、「自己決定できた理由」を選んでもらったところ、「希望する仕事についての知識・能力・経験」が1位になった一方、「自身の考えや意見を自由に言いあえる風通しのよい風土」や「勤務先内の上司の理解や柔軟性」といった勤務先内の風土に関する項目も上位に。

さらに、仕事や会社への価値観について聞くと、仕事内容について自己決定「できた層」と「できなかった層」で上位3項目が同じ顔ぶれに。一方で、スコア差が最も大きかったのは「専門性を上げることが大切だ」で25.4pt差。次いで「仕事で色々チャレンジすることが大切だ」(24.4pt差)、「仕事仲間が大切だ」(22.0pt差)と続き、仕事をスムーズに進めるうえで必要なことにも、目を向けていることがうかがえた。

また、仕事内容を自分で選ぶための努力・取り組みについては、仕事内容を自己決定「できた層」も「できなかった層」も、上位4つが「会社内で人脈をつくる」「自分がやりたいこと・成し遂げたいことを探す」「資格を取る」「ビジネス・経済ニュースを多く読む・視聴する」と同じ顔ぶれ。しかし「会社内で人脈をつくる」や「会社外で人脈を作る」では差が見受けられた。

次に、はたらき方を自己決定出来た場面について尋ねたところ、仕事内容を自己決定できた層では「雇用形態」や「日々の労働時間の長さ」、「退勤・出勤時間」などが上位に。それらと比較すると、「出産・育児・介護休暇の取得」においては、自己決定できた場面として挙げる人の割合は少ない結果となった。

また、はたらき方を自己決定できた層に、自己決定できた理由を選んでもらったところ、1位に「テレワークしても良しとする風土」、5位に「時短勤務・育児休業は取って当然という風土」、6位に「早く退勤してもよい風土」と勤務先内の風土が上位に多くランクイン。また3位には、「周囲の目をあまり気にしない割り切り・価値観」と強い意志がなければ、はたらき方を選択しにくいことがうかがえる結果に。

一方、仕事へのスタンスについての質問では、はたらき方について自己決定「できた層」と「できなかった層」では、4つの項目で大きな差が。差が大きい順に、「成長のために仕事は熱心にやる」(22.4pt差)、「仕事が楽しいので熱心にやる」(22.1pt差)、「家族を支えるために仕事は熱心にやる」(21.2pt差)。「はたらき方」を「自己決定できた層」は、仕事を楽しみながら熱心にやる傾向がうかがえた。