廃棄寸前のサンドイッチを食べた清掃員に出勤停止処分 上司らは「窃盗」と主張

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昼食時間を過ぎた午後2時半に、職場に残されていたサンドイッチを食べたことで、女性清掃員が仕事を失った。女性の主張、また上司の言い分などを『Metro』などイギリスのメディアが伝えている。

イギリスで暮らすシングルマザーの女性(39)は、今から10年前に娘(10)と一緒にスペインからイギリスに移住。清掃業者に雇われ、ロンドンの法律事務所で清掃員として働くようになった。
そんなある日の午後、女性は事務所に大量の食べ残しがあることに気づいた。いくつものトレーにサンドイッチやポテトチップスが置かれていたが、すでに昼食の時間も過ぎていたことから、「これは残りもの。廃棄されるだけだ」と考えたという。
そこで女性はキュウリ入りのツナサンドをひとつ取って食べ、その後も約1週間は普段通りに仕事を続けていた。

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しかしある日、シフトを終える直前の女性に上司であるマネージャーらが声をかけ、「出勤停止処分にする。君の社員証を返しなさい」と告げた。
驚いた女性が理由を尋ねたところ、マネージャーらは「許可も得ずにサンドイッチを取ったからだ」と説明したそうだ。
いきなり盗みを働いたと言われて女性は大きなショックを受けたが、処分を取り消してもらうことはできなかった。

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この出来事を知った出稼ぎ労働者らを支援する労働組合のメンバーが、ツナ缶100個とサンドイッチ300個を持って、オフィスビルの外に集結。「サンドイッチ1個のせいでクビに」などと書いたバナーを持って、抗議した。
また組合は女性を突き放した業者を批判し、公開書簡を用意。そこに「彼女は『食べてもいい物』と理解していたんです」「残り物のサンドイッチを食べた従業員を処分するなんて、合理性と理解の領域をはるかに超えています」などと書いたことを、複数メディアが伝えている。

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女性の上司だった人物は、「提供されてもいないのに、勝手にサンドイッチを食べたんです」「その行動は契約に違反するもの」「雇用関係の継続に必要な信頼と信用を損なう行為でした」「(出勤停止処分は)適切な調査などを経て講じた措置。雇用法にも従っています」と主張している。
ネット上には「気の毒」「事務所の人が『どうぞ』と食べ物を差し出せばこうはならなかった」という声のほか、「人の物を取ってはダメ」「それさえ守れば良かったのに」という意見も多数書き込まれている。