「コミュニティーが回復するためには避難所は1つがいい」 “集落まるごと避難”した住民は今…能登半島地震から2か月

能登半島地震の発生から3月1日で2か月です。「コミュニティーがバラバラになる…」孤立した集落から「まるごと避難」した人たちには、地域がバラバラになってしまうとの不安や焦りが広がっています。
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日本海沿いにある石川県輪島市の南志見(なじみ)地区。能登半島地震で初めて「集落まるごと避難」をしたことで知られることになりました。
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(大野和之記者 輪島市南志見地区 1月11日)「午前11時前です。避難者を乗せるヘリが南志見公民館に到着しました」道路が寸断されたうえ、電気や水道は復旧の見通しが立たず、地震から10日後、およそ270人が、100キロほど離れた石川県金沢市に集団避難しました。
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(石川県議会 吉田修議員 1月)「バラバラになる(避難する)と、コミュニティがおそらく崩壊する。今後このコミュニティが回復するためには、避難所は極力1つ。1つで入らなければ2つで何とかまとまっていられるように」
“集落のまとまり”を崩さずに住民の命を守る。「集落まるごと避難」をした人たちはその後、どうなったのか…避難所を訪ねました。
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(大野和之記者 石川・金沢市 2月20日)「金沢市の額谷体育館に来ています。こちらでは、輪島市の南志見地区から集団避難してきた人々が協力して生活しています」ここで生活する人たちは自宅が倒壊するなどして、ほぼ“着の身着のまま”避難してきました。(避難した人)Q皆さんで来られたのは良かったですか?「見知らぬ人よりも話やすい。日頃から話していたから話題もあったし良かった」ただ、この避難所は3月末で閉鎖されることに。この先の生活をどうするか…難しい決断を迫られています。
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自宅が大きく損壊した仲泉正子さん、75歳。(仲泉さん)「何をするにも病院。透析できる病院がないと身動きできない」仲泉さんには人工透析が必要な夫がいるため、金沢市内にアパートを借り避難所を出ることに。やむを得ない決断でしたが、このままでは「地域がバラバラになってしまう」という不安も大きくなっています。(仲泉さん)「(友だちから)『移るんやってね』って。お互いにぼけて『あんた誰や』ってなる前にまた会いたいね』って…わびしいね」
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しかし、今ふるさと南志見に戻るという選択は難しいままです。幹線道路の復旧も進まず、地震の前には20分ほどで行けた輪島市の中心部まで1時間半ほどもかかります。
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(山崎正彦さん)「全く(水が)出ませんね」Qいつから?「1月1日午後4時から。ことしの秋にでも水が来るかな。下手したら来年かな」集団避難をせず南志見に残った山崎正彦さん、66歳。地域の仲間が戻れるよう仮設住宅の建設に携わっていますが、復旧が遅れるほど戻る人が減ってしまうと危機感を募らせます。(山崎さん)「(南志見には)いろんな町が12~13あるんやけど、その集落自体が成り立たんようになる。今後どういうふうなるのか教えて欲しいわ」
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避難先から南志見に戻った人は確認できる範囲で5人だけ。今後、地域のつながりを維持できるのか、住民には不安や焦りが広がっています。
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