うまみ凝縮された極上の一品「流氷明け毛ガニ」…網走市・あの街行く北海道

春が待ち遠しい。オホーツク海に面した網走市は、海産物の宝庫。流氷が去ると春の漁が本番を迎える。特に、例年3月末から4月にかけて水揚げされる「流氷明け毛ガニ」は、身がぎっしり詰まってうまみが凝縮された極上の一品。グルメ体験したいなら、毎年5月に道の駅・流氷街道網走で開催される「春カニ合戦」に出かけよう。カニが空を舞う「カニまき」など、全国のカニファンが熱狂する名物イベントだ。
カニの他にもウニ、ホタテ、キンキ、ホッケ、タラなど四季を通して新鮮な海の幸に恵まれ、網走湖、藻琴湖で水揚げされる天然のシジミも粒が大きく栄養分豊富なことで知られている。
グルメだけじゃない。網走にはオールシーズンでアクティビティーがある。今なら網走流氷観光砕氷船「おーろら」での流氷クルーズがイチ押しだ。運が良ければオジロワシやアザラシに出会うことも。運行は今月いっぱい。今のうちに、そのド迫力を体感してはいかがだろう。
網走湖での氷上ワカサギ釣りも冬の風物詩だ。道具一式のレンタルがあるから手ぶらOK。釣った魚はその場で天ぷらにして食べられる。釣りたて、揚げたての味は格別。今月中旬までは楽しめる。他にも流氷を見ながら海岸線を走るファットバイク、流氷をかき分けて進む流氷カヤックなど、冬の網走でしか体験できないツアーが目白押しだ。
〇…4~10月はクジラやイルカなどを観察する「あばしりネイチャークルーズ」がオススメだ。秋になると能取湖のサンゴ草群落地が見頃を迎え、最も赤く色づく9月中旬には「能取湖さんご草まつり」が開催される。また、オホーツク人の謎に迫る「モヨロ貝塚館」など歴史や文化を学べる施設も多数。網走観光協会の二宮直輝専務理事(69)は「大自然あり、史跡や文化財もあり、グルメも豊富。網走はいつ来ても楽しめます」とPRしている。
◆網走市 オホーツク東部に位置し、女満別空港からは車で約30分。1872年に蝦夷地が北海道と改められるとともにアバシリ村となり、1875年から網走村。1902年、網走村、北見町、勇仁村を合併して網走町に。47年から網走市。博物館網走監獄は国指定重要文化財、桂ヶ岡砦跡、最寄貝塚は国指定史跡となっている。ラグビー、陸上などスポーツ合宿地としても有名。人口3万2672人(2月末現在)。