空港の手荷物検査で人工乳房を外すよう命じられた女性 「蛇ににらまれた蛙の気分」

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空港の手荷物検査場で、ボディスキャナーに映った人工乳房を外すよう命じられた女性がいる。『BUSINESS INSIDER』『BBC』が報道している。

レアルタン・ニー・リアンナンさんという女性が、アイルランド・ダブリン空港から北西部のドニゴールまで飛行機を利用した。
その際、空港の手荷物検査で通過するボディスキャナーが、乳房切除の手術後に挿入していた人工乳房のプロテーゼを映し出し、警備員からその場で人工乳房を外すよう命じられたという。
当時、手荷物検査場は非常に混雑していた。そんな公共の場で、リアンナンさんは構造上で半分しか外せないプロテーゼを外し、セキュリティを通過したそうだ。

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リアンナンさんは、「女性の警備員が非常に高圧的だったため、『蛇ににらまれた蛙』のような気分にさせられた」と当時を振り返る。
ボディスキャナーで再検査を要求されたのは、実はこれが初めてではなかった。以前、若い警備員が担当する検査場で異物を示すサインが表示された時にも、やはり引き留められた。しかし人工乳房のプロテーゼだと説明すると、「すみませんでした。結構です」と言われ、すぐにセキュリティを通過できたという。
ところがダブリン空港での扱いは、まったく違っていた。混雑した検査場で、命じられたことを実行しなければならないという威圧感に苛まれたリアンナンさんは、「自身のプライバシーよりもプロテーゼを外すことに集中した」とその時の心境を話している。

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ダブリン空港はこの件に関し声明を発表し、リアンナンさんに謝罪。声明文で「搭乗客が不快な体験をされたことを大変申し訳なく思います。プライバシーを配慮したスキャンもリクエストできるが、残念ながら今回は提供されませんでした。同様の事態を回避するために措置を講じていきます」と述べている。
この謝罪に対しリアンナンさんは、「客が個別のリクエストについて周知しているかどうかではなく、警備員がプライベートスキャンが必要である状況かを尋ねるべきではないでしょうか?」と疑問を投げかけた。また過去には人工肛門の袋を見せるよう指示された事例があったことを知ったそうで、「特に医療ケアを必要とする搭乗客への配慮が必要です」と指摘している。
そして、「今後、空港のチェックインカウンターでの注意書きに載せるなどの具体的な措置を講じてほしい」と『BBC』ラジオで訴えた。