「もしかして雪?」。日本全国に強い寒気が流れ込んだ24日夜、宜野湾市では氷の粒のような物が降る様子が確認された。沖縄気象台は雪などを観測していないが、撮影された動画はネット上で拡散。専門家は「氷あられ」の可能性を指摘した。(社会部・銘苅一哲、東江郁香、宮古支局・當山学)
宜野湾市野嵩に住む30代女性は眠りに就こうとした24日午後11時40分ごろ、窓に「コツコツ」と小さな石が当たるような音に気が付いた。「もしかして」と窓を開けると、冷凍庫で見る霜のような粒が降っていた。「手に落ちるとすぐに溶け、1分ほどで普通の雨に変わった」と振り返る。
ネットに動画を投稿すると「これはテンション上がる」「みぞれ? あられ?」と多くの関心を呼んだ。
琉球大の山田広幸教授(気象学)は同じ時間帯に大学の屋上で観測した気温は6・6度と説明した上で「雪が降る温度ではなく、寒波に伴い発達した積雲から降るあられが、完全に溶け切らないまま地上に落ちたと考えられる」と分析。「2016年に県内各地で目撃が相次いだ、雨に分類される氷あられの可能性がある」と述べた。
一方、24日から25日にかけて吹いた強風は浦添市など延べ約8千戸で停電を引き起こすなど、県内各地で影響が出た。沖縄電力によると強風で電柱に電線を固定する部品が破損し、ショートしたことなどが原因。
浦添市に住む30代男性は「台風がない冬に停電するのは初めて。マンションの給水ポンプが動かず断水状態になり、軽いパニックになった。心細い夜を過ごした」と話した。
25日早朝には宮古島市下地与那覇で、気温の低下で仮死状態になった魚や動けなくなったカニが海岸に打ち上げられた。
沖縄本島では次第に晴れ間が広がり、風が弱まって暖かい陽気に。うるま市の専門学生の呉屋光誠さん(21)は「昨日は寒く、今年初めてスエットを着た。きょうぐらいのぽかぽか陽気が過ごしやすくていい」と、目まぐるしく変わる気候に苦笑いを浮かべた。
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「氷あられ」が降ったとみられる様子を映した動画=24日午後11時40分ごろ(提供、黄色い円内)
「氷あられ」が降ったとみられる24日午後11時40分ごろの気象庁の降水分布