ベトナムに水産練り製品を輸出へ 継続的な人材交流も【新潟】

新潟とベトナムの交流における現状と課題をお伝えしています。ベトナムは年内にも人口が1億人を突破する見込みで、東南アジアのなかでも注目されている市場の一つです。今回は輸出拡大を狙う企業と人材交流など今後の展望をお伝えします。

【記者リポート】
「2年ぶりの開催となるジャパンベトナムフェスティバル。会場は多くのベトナム人で賑わっています」

2月25日から2日間、ベトナムのホーチミン市で開かれた日本とベトナムの交流イベント。

国内で最大の規模を誇り、今年は企業や自治体などから過去最多となる250ブースが出展しました。

【新潟ベトナム協会 渡邉 豊 会長】
「ブースとしては遊び・学び・働き・住まう街新潟県ということで展開していくので、この中でチームワークを取ってやって頂きたいと思います」

このイベントに新潟ベトナム協会が初めてブースを構え、ホーチミン新潟県人会などと協力しながら観光や県産品の魅力を紹介しました。

【一正蒲鉾 森山 敦志 さん】
「これは今、提案中でコンビニエンスストアとかスーパー」

新潟市に本社があり水産練り製品を製造・販売する企業がベトナムへカニかまを輸出するために初めて商品をアピールしました。

【一正蒲鉾 森山 敦志 さん】
「ベトナムはまだ我々は商品を進出できていないので、今回、ベトナムの方にカニかまを中心にPRして、今後、ベトナムのマーケットをどんどん広げていきたい」

こちらの企業はちくわやカニかまなどを香港や台湾・北米などに輸出。

2020年度の輸出金額は2億5000万円でした。

常温で約1年間保存でき、冷蔵設備が整っていない地域にも送れるためおやつなどにも適しているというカニかま。

この日は日本から用意した約200パック分をベトナム人が試食しました。

【ベトナム人】
「ベトナムでこの商品を販売したら絶対買う」
「カニの風味が濃いベトナムの商品は粉を混ぜた感じです。カニの身の食感がありおいしくて香りもいい」
「和食がより濃厚でおいしくなると思う品質が高い」

【一正蒲鉾 森山 敦志 さん】
「味の点や現地で、どのくらいの価格なら販売できるかということをヒアリングすることができたので、非常に参考になりました。早くベトナムの地に我我の商品を届けたいという気持ちを新たにした」

新潟とベトナムは企業の投資や販路拡大などの経済交流だけでなく、継続的な人材交流も続いています。

新潟のブースで長岡市をPRしていた長岡技術科学大学は2006年度からホーチミン市工科大学と“ツイニング・プログラム”を実施しています。

このプログラムはホーチミン市工科大学で2年半、日本語を学んだあと、長岡技術科学大学に留学する制度でこれまでに108人が卒業。

そのうち60人が日本の企業に就職しました。

2月24日には情報交換会が開かれ、これまでの活動やグローバル化などに向けて意見を交わしました。

長岡技術科学大学は留学生の受け入れを通じて優秀な人材を育成したい考えです。

【長岡技術科学大学 佐々木 徹 准教授】
「単純な製造ではなくて、何かを生み出していくというところで、ベトナム人や日本人学生もそうだけど、そういう学生がクリエーティブに会社の業務やそれらの改善につなげていくなかで強い役割を持つ」

新潟とベトナムの間で進む経済と人材の交流。

今年は日本がベトナムと外交関係を樹立してから50周年を迎え、更なる交流の進展が期待されます。

【新潟ベトナム協会 渡邉 豊 会長】
「少しずつだけど新潟という名前をベトナムの皆さんに覚えてもらってインバウンド・アウトバンドにつなげていきたいと思っている」