JAL機とANA機「マーシャリング」どこが違う? 仙台空港で”二刀流グラハン育成”の新制度 そのメリットとは

そんな違いあるんだねえ。
2024年4月より、JAL(日本航空)とANA(全日空)が、国内10空港のグランドハンドリングスタッフ(航空機の地上支援を行う業種)において作業資格を相互に承認する仕組みの運用を開始しました。仙台空港ではこの新制度を用いて2社の相互資格を取得し、JAL便・ANA便の”二刀流”の業務を行うスタッフが誕生しています。
JAL機とANA機「マーシャリング」どこが違う? 仙台空港で…の画像はこちら >>仙台空港で実施された「グラハン作業資格相互承認」報道公開の様子(2024年5月、乗りものニュース編集部撮影)。
これまでグランドハンドリングの業界で、たとえば両社が他企業に業務委託している仙台空港で”二刀流”の業務を行うには、ANAの資格を取得したあとに、新たにJALの資格を最初から取得し直さなければなりませんでした。今回の取り組みはこれを差異部分の知識確認・座学教育のみで資格を付与し効率化。ANA・JAL両方を担当できるグランドハンドリングスタッフの育成を円滑化するというものです。
この制度を用いることができるのは、旅客機の駐機の誘導を行うマーシャラーなど7資格。仙台空港で”二刀流”の業務を行うスタッフは5月14日時点で2人ですが、今後拡大も予定されているとのこと。なお、この制度で2社のマーシャリング資格を保有したスタッフによると「JALの機体だと徐行(を指示するポーズ)をいれないが、ANAさんは徐行を入れてから停止合図するなどの違いがあります」と話します。
2社はこれにより、「両社の委託先事業者が同一であるランプハンドリング作業における教育訓練の時間が大幅に短縮できるとともに、ANAとJAL両社の作業に従事できる資格者の早期養成を図ることができ、グランドハンドリング事業者にとって、業務の効率化と繁忙緩和に繋げることができるようになります」とこの試みのメリットをコメントしています。なおこの取り組みは仙台空港以外に、利尻、根室中標津、函館、秋田、新潟、岡山、徳島、高知、鹿児島で実施されています。