【速報・追記あり】京葉線、一部快速復活へ 平日7本、休日12本増 JR支社長「厳しい声踏まえた」

JR東日本のダイヤ改正に伴う京葉線の快速縮小問題を巡り、JR千葉支社の土沢壇支社長は30日の会見で、9月1日から一部の各駅停車を快速電車に変更する方針を発表した。内房・外房線と直通する上下各2本を含め、朝と夜の通勤時間帯を含む上下合わせて平日7本、土休日12本の快速が復活する。土沢支社長は「利用者や自治体から厳しい意見を受けたこと、私たちも思いが至らなかったことを踏まえた。以前とほぼ遜色ない速達性が実現できたと思う」と述べた。
同支社によると、朝の時間帯の上り快速は現行の2本から4本に増やす。夕方以降の下り快速も東京駅を午後8時台に出発する2本を運行する。具体的には、内房線直通で午前6時56分上総湊発の上りと、平日午後8時3分東京発の下りの2本。外房線直通は午前6時28分上総一ノ宮発の上りと、平日午後8時35分東京発の下りの2本。
平日朝の東京駅までの所要時間は、内房線君津駅と外房線上総一ノ宮駅発だと、いずれも1時間半ほどになる。現行の各駅停車と比べると10~15分ほど早くなり、3月16日のダイヤ改正以前に運行していた通勤快速と比べても4分ほどの差となった。
このほか、蘇我―東京間の各駅停車も一部快速に変更。内房・外房直通を合わせると快速は平日33本(7本増)、土休日61本(12本増)になる。ダイヤ改正以前は平日59本、土休日89本だった。
土沢支社長は「蘇我や幕張新都心、千葉市以南の地域から東京への速達性の確保と、利便性のバランスを両立することを検討してきた」と説明。沿線自治体や利用者などからは、通勤快速の復活や、通勤快速を海浜幕張に停車させることを望む声も出ていたが「通勤快速は停車駅が少ない分、混雑の偏りが出てしまう。海浜幕張駅で乗り換えする人が急増する恐れもあり見送った」と主張した。
今後については「快速通過駅の利便性などに課題が残る。利用状況を見つつ、県や沿線自治体などと意見交換しながら柔軟に対応していきたい」とした。
京葉線を巡っては、3月16日のダイヤ改正で、混雑平準化を理由に通勤快速の全てと朝夕の快速のほとんどが廃止され、各駅停車に切り替わった。これに対し、直通する内・外房線も含む沿線の県内自治体が「極端な変更だ」などと反発。ダイヤの再検討を求める要望書を同社本社や千葉支社に提出していた。
◆熊谷知事「異例の対応に感謝」
JR東日本の京葉線ダイヤ見直しを受け、熊谷俊人知事は「定期的な春のダイヤ改正を待たず、秋にダイヤ変更を実施するという異例の対応に大変感謝している」とするコメントを出した。
熊谷知事は「沿線住民に寄り添いながら、京葉線の速達性や利便性の確保などについて、今後も引き続き検討してもらいたい」とJR側に要望。県としては「ダイヤ改正だけではなく、まちづくりや地域活性化の観点からも、より密なJRとの意見交換の場を持っていきたい」とした。