ロシアで新型輸送機の「4分の1が飛行不能!」その理由は実にお粗末なものだった?

ロシアにとって結構な打撃か?
ロシアの経済紙である「コメルサント」は2024年7月19日、Il-76MD-90A輸送機の車輪用のベアリングで低品質の製品が使用されていたため、ロシア空軍が保有機のうち5機の運用を停止していると報じました。
ロシアで新型輸送機の「4分の1が飛行不能!」その理由は実にお…の画像はこちら >>ロシアの代表的な輸送機のひとつであるIl-76(画像:ロシア国防省)。
コメルサントによると、IL-76の部品を供給しているバラシハ鋳造機械工場(BFMP)で2017年から2022年にかけて偽造文書を使用して未知の供給業者からベアリングを購入していたことがロシア検察庁で明らかになったとのことです。なお、この件が汚職によるものなのか、2014年のクリミヤ危機以降の西側陣営による経済制裁に関係した、部品の供給不足によるものなのか、詳細は現在のところ報じられていません。
これらの出所不明のベアリングは低品質な製品で、いくつかの企業を経由してロシア軍が現在運用している機体にも使われたそうです。そのため、軍の所有するIl-76MD-90Aのうち、5機が車輪のトラブルなどで飛行を停止しているとのことです。
Il-76MD-90Aは、軍用輸送機であるIL-76の最新モデルで、2012年9月22日に初飛行を行いました。複数のジャーナリストで結成されたロシアの独立系メディア「iストーリーズ」によるとロシア軍は2023年末時点で計18機のIl-76MD-90Aを所有してるとのことで、約4分の1の機体が使用不能になっている状態です。
この事態を受け、ロシア連邦保安庁はBFMPに対する刑事訴訟を開始しています。