燃料代高騰で深刻な影響…創業100年超の老舗銭湯「赤字覚悟でやってます」4月からの値上げ幅は“40円”

物価や燃料代が高騰する中、銭湯では値上げだけでなく、風呂場のタイルを自分たちで修理するなど、工夫して節約に取り組んでいます。

名古屋市西区にある創業100年を超える老舗の銭湯「八千代湯」。地元の人を中心に、毎日200人ほどが利用しています。

高井代表:
「一番困っているのはガス代の値上がりです。正直なところ、利益というのはほとんど出ていません。赤字覚悟でやっています」

2月のガス代はおよそ140万円と、2022年の同じ時期の倍ほどになりました。電気代や水道代、人件費などを差し引くと利益は15万円ほどですが、2022年は赤字になる月もありました。

風呂場のタイルや機械も自分たちで修理し、節約に努めています。

そうした状況でも、銭湯は「物価統制令」により都道府県ごとに料金の上限が決められ、自由に値上げができません。

県内の銭湯などで作る組合は愛知県に料金改定を申請し、入浴料は4月から40円アップの500円になります。

憩いの場の存続をかけた値上げについて、利用者に聞きました。

利用者:
「しょうがないわね。値上げしても関係ない、来るよ」

別の利用者:
「あちこち痛くなるもんで、電気風呂がいい。だからここは病院みたいなもんだ。(値上げは)しょうがない、何もかも高くなったで」

高井代表:
「大きな災害がある時には、(入浴拠点として)われわれは市民の皆さんへの援助を差し伸べなければなりませんので。利用者の皆さまには大変申し訳ございませんが、何卒この値上げをご理解いただければ幸いです」