住所や氏名 求人紹介業の元社員逮捕三上兼吾容疑者

勤務先から医師や看護師の個人情報を不正に持ち出したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は14日、不正競争防止法違反(営業秘密の複製)の疑いで、医療従事者向け求人情報紹介会社の元システムエンジニア(SE)三上兼吾(みかみ・けんご)容疑者(36)=東京都日野市=を逮捕した。
 捜査関係者によると、同社に登録していた医師や看護師ら計約1万7千人分の情報が持ち出されたとみられ、住所や氏名、生年月日、学歴、勤務先も含まれていた。三上容疑者は退職して別の求人情報紹介会社の設立に携わった疑いがあり、警視庁が経緯や目的を調べる。
 ベネッセコーポレーションの顧客情報流出事件と同様に会社内部の人物が関与しており、個人情報保護の難しさが露呈した形だ。
 逮捕容疑は2012年春、当時勤務していた「メディカルリサーチアンドテクノロジー」(現MRT、東京都新宿区)で、営業秘密に当たる同社に登録されていた医師の個人情報を不正に複製し、入手した疑い。
 自身に与えられた同社のサーバーを管理する権限を利用し、サーバーに保存されていた医師などの個人情報を集めていたとみられる。
 同社は転職先や医療関係のアルバイトの紹介といったサービスをしており、三上容疑者は12年1月に入社。システム管理などを担当していたが、同年夏に退職した。
 警視庁は13年12月、関係先を家宅捜索し、押収したパソコンや携帯電話、USBメモリーを解析するなどして、捜査を進めていた。