毎日が心ときめく ほのぼのイラストレッスン帖 第1回 TikTokで話題のイラストレーター・みりんさんに聞く、イラスト挑戦のコツは?- 『毎日が心ときめく ほのぼのイラストレッスン帖』出版記念インタビュー

ほっこりかわいいイラストを描き、TikTokで約46万人、Instagram約10万人と莫大な数のフォロワーを抱えるイラストレーター・みりんさん。愛らしいイラストと明るいご本人のキャラクターとは裏腹に、SNSをはじめとした発信からはセルフプロデュースの高さを伺うことができます。

今回は書籍『毎日が心ときめく ほのぼのイラストレッスン帖』(マイナビ出版刊)の出版やご自身の活動についてじっくりお話を伺いました。
○念願だった書籍の出版

編集部:まずは初めての単著、『毎日が心ときめく ほのぼのイラストレッスン帖』のご出版おめでとうございます! 書籍にこめた想いや、こだわった点、おすすめポイントについて教えてください。

みりん:「かわいいイラストが描ける本」は世の中にたくさん出ているのですが、本書は、一つひとつのイラストの描き方をしっかり3ステップで見せていることで、絵を描いてみたい! と思う人が迷わず取り組める内容を意識しました。イラストの描き方って人それぞれで正解はないのですが、あくまでみりんはこういう手順で描いているよ、ということがきちんと見せられる1冊になっているかと思います。

そして、なんといっても収録点数の多さでしょうか。動物系、食べもの系、日常系……、あらゆるカテゴリのイラストの描き方を144点収録しました。(編集部注:掲載イラストは400点以上)

描き方以外のページでは、私のオリジナルのキャラクターである「もっぷ」「ちゃちゃ」「ぷん」をいろいろなページに登場させているので、みりんの絵が好き! と言ってくださる方も楽しめる内容になっていると思います。

編集部:本書のためにたくさんのイラストを描き下ろしていただきましたが、ご自身の一番のお気に入りはどれですか?

みりん:たくさん描いたので悩みますね~。うーん……「フルーツと野菜を描いてみよう(3)」で描き方解説をしている「だいこん」はひそかなお気に入りです。

編集部:意外なところがきましたね……。笑。どのあたりがお気に入りのポイントですか?

みりん:なんだろう、毛がポツポツ生えているところとか。笑。
そのほかだと、頭にタマゴのカラをのせた「赤ちゃん恐竜」もかわいく描けたなと思います。あと、これは描き方解説ではないですが、「みりんのPOINT」イラストもお気に入りです。書籍の中にこのイラストがあることで、より楽しい雰囲気になりました。

編集部:本書のおすすめの使い方はありますか?

みりん:大きな絵を描く、というよりは、日記や手帳、授業ノートなどに、本書のイラストをちょこっとポイントとして描いていただくのがおすすめです!

また、お子さんに「○○の絵を描いて!」などリクエストされたときなども、書籍を見ながら、一緒に描いて楽しんでいただけるのではないかな、と思います。

知人に保育園の先生がいるのですが、遊戯室に月ごとにイラストを飾っているらしくて。季節のイラストもたくさん収録しているので、飾り用のイラストにも使える! と好評でした。

あとこれはこだわったポイントでもあるのですが、保育園や学校、授業で使っていただくことを考えて、虫のイラストもたくさん収録したので、ぜひ使っていただけると嬉しいです!

編集部:イラストに挑戦する方にアドバイスをお願いします。

みりん:描きたいと思ったとき、すぐに描ける環境を作っておくこと、でしょうか。

編集部:というと?

みりん:イラストを描くとき、何も参考にせず、頭の中のイメージを形にするってとても難しいですよね。たとえば「カメラ」を描きたいと思ったとき、じゃあ、参考用に写真を探すか……とネットで検索したり、そもそも手元にペンや紙がなくて、画材を探しはじめたり。

絵を描く準備に時間がかかってしまって、湧き上がってきた「描きたい」という気持ちがしぼんでしまって肝心の「お絵かき」に到達できないということは、私もたくさん経験があって。

なので、描きたい気持ちがあるうちに描けるよう、この『毎日が心ときめく ほのぼのイラストレッスン帖』では巻末に索引をつけて、描きたいイラストをすぐに探し出すことができるようにしたんです。

この本と紙、ペン(もしくはタブレットなど)をすぐに出せる状況にして、「描きたい気持ちを消さない環境づくり」をしてもらえるといいなあと思います。

イラストって、描けば描くほど楽しくなるし、時間をかけただけ上達するものだと思います。そして何より、楽しんで描くこと。私自身もそれを心がけていますし、皆さんにも「絵を描きたい!」という気持ちのチャンスをつかんで、楽しくイラスト制作をしていただけたら嬉しいです。
○大規模イベントの運営も経験

編集部:4月22日に大阪の万博記念公園で開催された「SNS EXPO」では、ブースの出展だけでなく、イベント運営の一人として、さまざまな調整をされていましたよね。無事、イベントが終了してほっとされたのでは、と思いますが、イベントを開催しようと思ったきっかけを教えてください。

みりん:「ファンのみんなと交流できる機会を自分たちで創り出したい」と考えたのが発端です。オフラインのイベントって基本的に受け身の状態が多くて、主催者に呼ばれるのを待つ、という状態になりがちなんです。でもそれだと、うんと有名にならない限り、いつまでたってもイベントに出られないということになってしまい、さびしいですよね。だったら、クリエイター一人ひとりの力ではまだ難しくても、みんなで集まることで、集客力もアップして、自分たちの力で「場」を作れるのでは、と考えました。

スタートは7人という少人数だったんですが、結果的に100人近くのクリエイターさんが集まってくれました。

編集部:すごい! みりんさんのブースも常に多くのお客さまがいらっしゃって大盛況でした。グッズや書籍を手に取ってくださる方が多く、参加された皆さん本当に楽しんでいらっしゃる様子が伺えましたね。

みりん:本当に、多くの方にご来場いただけて感謝しています。みりんのブースには300人以上の方が来てくれて。

編集部:みりんさんのブースは今回特に、小学生や中学生の方が多かった印象です。

みりん:そうですね。大人のファンの方もいらっしゃったのですが、すごい列になってしまって、小学生に譲ってくれた方もいたみたいで。

今回は特に、ショート動画プラットフォームである「LINE VOOM」での告知に力を入れたので、それも要因かもしれません。これは私のファン層の中の話ですが、LINE VOOMは他のSNSに比べて圧倒的に小中学生が多いんです。キッズ携帯やペアレンタルコントロールされたスマホだと、SNSが使えない設定になっていることが多いのですが、LINEは連絡ツールだから入れられるようになっていて、若い子たちでも情報を得やすい。さらに親御さんにLINEで情報をシェアすることも簡単にできるのもあって、より「家族でイベントに行ってみよう」と思ってくださる方が多かったのかな、と推測しています。

編集部:みりんさんはイベント内でのトークセッションのステージでMCとして参加したり、ライブペイントでもステージに登壇されていましたね。MCも非常にうまくて驚きました。昔から人前でお話することは得意だったのでしょうか?

みりん:得意かどうかはわからないですが、昔から自分の好きなものをプレゼンしたり、紹介することは好きでしたね。おしゃべりも結構好きなので、それをうまく活かせているのかもしれません。

ただ、「場を面白くする」ということについてはまだまだなので、改善の余地ありだと感じています!
○SNSで活動するイラストレーターとして自分ができること

編集部:最近は個展やイベントだけでなく、LINEのトークセミナーで講師を務めたりする、いわゆる「先生役」としての発信も増えていますよね。特に今年2月、大阪府吹田市・吹田市立第二中学校で開催された、生徒たちを対象にしたSNS授業が印象的でした。これはどのように実現したのでしょう?

みりん:こちらから教育委員会に掛け合って実現しました。今の学生さんはみんなSNSを使っていますよね。SNSは素晴らしいツールですが、それを通じて被害にあう子や危険な思いをする子もいる。それなのに、SNSの授業がないという現状は問題だと思っていて。

学校の先生や親から言われると素直に聞けない情報でも、実際にSNSを使って情報を発信している側のクリエイターが言うことで、学生さんに響くということはあると感じています。

また、SNSを使ってお仕事をしている者として、単にSNSを利用するだけでなく、何か社会に還元できることはないだろうか、ということは常に考えています。SNSで被害にあう子が一人でも減るように活動したり、イラストでお仕事をしたいと思っている人のサポートをしたり……。SNS授業もその一環です。一人の大人として大切なことですし、そういうことができるクリエイターであり続けたいです。
○今後の活動について

編集部:書籍出版はひとつの夢だとお話しされていましたが、今後の目標ややりたいことなどがあれば教えてください!

みりん:2023年の目標は【ファンのみんなに会える機会を作る】ことです。これまではコロナという状況があったりして、あまりオフラインのイベントを積極的に行っていなかったんですが、2月の個展を皮切りに意識的にイベントの数を増やしています。

実際にファンのみんなに会うことで、熱量のすごさを感じられたり、「応援してるよ!」とありがたい言葉を聞くことができたり。改めて、自分が創作していることの意味を感じられるし、お互いにもっと親密になれている気がするので、2023年は継続してこの目標を実行していくつもりです。

その先の目標は……、やりたいことはたくさんあるんですが、大きな目標のひとつだった「書籍出版」を達成できたので、改めて自分がこの先進みたい道や目標をしっかり考えて、この先もしっかりと歩んでいきたいと思います。

編集部:お話をいろいろ伺う中で、みりんさんが活動するうえで大切にしているものや軸などを知ることができました。今後のご活躍もとても楽しみです。本日はありがとうございました。

みりん:
ありがとうございました!

○『毎日が心ときめく ほのぼのイラストレッスン帖』(マイナビ出版)

カンタンにほのぼのかわいいイラストが描けちゃう!

普段使っている手帳やノートを、かわいいイラストで彩れたらとっても素敵だと思いませんか?
お手紙やメッセージカードも、ほんの少し手書きのイラストを添えるだけで、相手にもっと気持ちが届くはずです。

本書はTikTokで大人気のイラストレーター、みりんさんが手持ちのペンや紙を使って描けるイラストを紹介する1冊です。
きほんの動物や食べもの、コスメなど日常の小物はもちろん、手帳で使えるアイコンやフレームも網羅しているので、お手紙や手帳、ノートやSNSなど使い道はたくさん。誰でも楽しくかわいいイラストが描けちゃいます。

心ときめくイラストで、毎日を楽しく彩りましょう。

著作者名:みりん
電子版:1,485円
B5変:128ページ
ISBN:978-4-8399-8213-3
発売日:2023年04月17日

⇒Amazon.co.jp『毎日が心ときめく ほのぼのイラストレッスン帖』

オリジナルマイルドライナーがついてくる特別セット版も!

みりん先生直筆サイン付き書籍に本書のために製作したオリジナルマイルドライナー5色セットと小冊子が付いた特別セット版です(3,300円)。数量限定のため、ぜひお早めにご注文ください!

⇒マイナビ出版【サイン本&マイルドライナー付き特別セット】『毎日が心ときめく ほのぼのイラストレッスン帖』

○『毎日が心ときめく ほのぼのイラストレッスン帖』書籍出版イベント決定!

5月5日(金)北千住のマルイ2Fにて、書籍・グッズ販売およびサイン会を行います。詳細は以下をご確認ください。

【東京・神戸】本のサインイベント決定????5月5日、5月27日にサイン会を実施します!!????みんながたくさん本を読んでくれたおかげです!ありがとうございます????????ワークショップ予約はこちら????https://t.co/3Cg15SP1mo pic.twitter.com/j5b6UqCaUi みりん????????@著書発売中!! (@mirin_mi123) April 27, 2023

みりん(mirin) みりん ほっこり、ほのぼのイラストを描く神戸在住イラストレーター。SNSの総フォロワー数は58万人を越え、イラストと日常を掛け合わせた投稿が人気。挿絵やグラフィックデザイン、グッズ製作など幅広く活動している。共著として「ゆるかわイラスト&文字の描き方」(西東社)がある。 Instagram:https://www.instagram.com/mirin_mi123/ Tiktok:https://www.tiktok.com/@mirin_mi この著者の記事一覧はこちら