不動産のプロが教える!“理想の住まい”の叶え方 第3回 「戸建て」と「マンション」家を買うならどっちが正解?

住まいを購入する時、戸建てが良いのか、マンションが良いのか、悩まれる方はとても多いと思います。大都市の中心部であればマンションを選ぶ方が多くなりますし、少し郊外に出れば戸建てという選択肢も出てきます。

結論からお話しをすると、戸建てとマンション、それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらの選択肢が向いているのかは、人それぞれです。

第3回の今回は、”戸建て”と”マンション”、それぞれのメリットとデメリットという観点から、「自分にとっての正解はどちらなのか?」を考えていきたいと思います。

マンションのメリット
【立地の良い物件が多い】
一般的にマンションの方が、駅近物件など立地の良い物件が多くなります。「最寄駅から徒歩5分以内」といった条件だと、該当するのはほとんどマンションになってきます。
【眺望や日当たりを得やすい】
マンションの3階以上などのお部屋の場合、眺望や日当たりが良い物件が多くなります。タワーマンションの上層階などでは、都会が一望できるような眺望が手に入ります。
【災害に強い】
マンションは基本的に鉄筋コンクリートで作られているため、火災があっても燃え広がりづらいですし、台風や地震などの災害にも強いといわれています。二階以上のお部屋であれば、水害の被害に遭う可能性も低くなります。
【セキュリティ面のリスクが戸建てよりも低い】
オートロックや監視カメラなど、セキュリティ設備が設置されている場合が多く、空き巣などのリスクも戸建てに比べると低くて済みます。

【管理を任せることができる】
ほとんどのマンションが建物の管理をマンションの管理会社に委託しています。毎月、管理費や修繕積立金の支払いが必要になりますが、日常の清掃業務やメンテナンス等は管理会社に任せることができます。
【階段や段差がほとんどなく、老後も住みやすい】
メゾネットの物件などを除けば、マンションの室内には基本的に階段はありません。室内の床がフラットなので、将来、足腰が悪くなったり、車椅子が必要になっても、住み続けることができます。

ただし築年数が古いマンションの場合だと、お風呂やトイレに段差があったり、エレベーターが各フロアに停まらない「スキップフロア」の物件などもあるので、注意が必要です。
マンションのデメリット
【騒音トラブルが起きやすい】
マンションはお隣さんや上下階のお部屋とコンクリートの壁や床・天井でつながっています。家と家の間に空間のある戸建て物件に比べて、どうしても音は聞こえやすいので、騒音トラブルに発展するリスクが高くなってしまいます。
【管理組への参加が必要】
管理は管理会社に任せられますが、管理組合の理事の役割などは定期的に回ってきます。多くのマンションで数ヶ月に1回、理事会の会議等に参加する必要があり、負担になってしまうこともあります。とはいえ、管理組合の健全な運営は、マンションを長持ちさせる上でとても重要なことなので、積極的に協力しましょう。

戸建てのメリット
【マイホーム感を強く感じられる】

やはり戸建ての一番の魅力は「マイホーム感」にあるかと思います。敷地や建物が独立しているので、自分だけの家という感覚を得やすいのは戸建てといえます。
【庭や駐車場を作れる】
戸建ての場合、敷地内にお庭のスペースや車の駐車スペースを作ることができます。物件によっては、休日にお庭でBBQができるような物件もあります。ガーデニングがお好きな方や、お車を持っている方にとっては、とても大きなメリットですね。
【ペットが自由に飼える】
マンションの場合、ペット飼育不可という物件も多いですが、戸建ての場合は自由に飼育することができます。特に大型犬を飼っている方や、犬や猫を3匹以上飼っているような方は、選択肢は戸建て一択になってくるかと思います。
戸建てのデメリット
【災害に弱い】
日本にある戸建て物件は、ほとんどが木造の建物になります。鉄筋コンクリートのマンションに比べると火災のリスクが高かったり、河や海が近い物件だと、洪水などのリスクが高くなってしまったりします。また、マンションに比べるとセキュリティは低いので、空き巣などのリスクも高くなります。
【虫問題】
戸建ての場合、建物の周りはすべて”外”なので、どうしても蚊や蜘蛛、ゴキブリなどの虫がお部屋の中に入ってきてしまうリスクは高くなります。虫が苦手な方にとっては、この点は大きなデメリットになるのではないでしょうか。

また、木造の戸建て物件の場合は、シロアリの対策も必要になります。

【老後の住みにくさ】
戸建て物件の場合、平屋などでなければ、基本的に日常の階段の上り下りが必要になります。足腰が鍛えられて良いという捉え方もできますが、将来、足腰が悪くなったり、車椅子が必要になったりした場合には戸建てでの生活はなかなか難しくなってしまいます。
まとめ

戸建てとマンション、それぞれに明確なメリットとデメリットがあり、それぞれの価値観やライフスタイルによって向き・不向きが変わってくると思います。

一概にどちらの選択肢が正解とは言い切れませんが、一般的にマンションの方が向いている方は以下のような方といえます。

<マンションの方が向いている方>
・とにかく駅近に住みたい
・眺望や日当たりを重視したい
・管理やメンテナンスをお任せしたい

一方で、戸建ての方が向いているのは以下のような方になります。

<戸建ての方が向いている方>
・足音などの生活音を気にせず暮らしたい
・マイカーを持っていて使用頻度が高い
・ガーデニングや家庭菜園を楽しみたい

それぞれのメリット・デメリットを踏まえたうえで、自分にはどちらに適しているのかを考えてみると良いでしょう。

足立 淳 あだちじゅん 東京・恵比寿にある小さな不動産会社「サムタイムズ」代表。日々、お客様の上質な中古物件探しと信頼できるリフォーム会社の紹介を行っている。これまでに延べ1,000組以上のお客様の住まい探しをサポート。自身でも築35年のヴィンテージマンションをリノベし、家族4人で暮らしている。北欧ヴィンテージ家具と観葉植物をこよなく愛する。 この著者の記事一覧はこちら