廃棄処分のドーナツを食べたスーパー店員が解雇 「食品ロスなくしてほしかった」

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長いあいだ店員として働いていたスーパーで、廃棄予定のドーナツを食べた男性。「もったいない」と感じての行為だったというが、解雇された。その経緯を、『LADbible』など海外メディアが伝えている。
イギリスで暮らすデヴィッド・グレアムさん(28)が、人気スーパーマーケットの面接を受けて合格。それからというもの真面目に働き店に尽くしていたが、消費可能な食べ物がたびたび廃棄される様子を見て、胸を痛めるようになった。
このスーパーでは「売れ残った商品の一部をチャリティ団体とスタッフに分配する」といったポリシーを設けていたが、少し前にこれを改定。「午後9時までに売れなかった食べ物は廃棄する」と定められたというのだ。
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ある日のこと、デヴィッドさんはベーカリー部門で働く店員が大量のドーナツをゴミ箱に入れる姿を見て、ショックを受けた。
たまたま腹を空かせていたことと抗議したい思いもあって、「ちょうど良い機会だ」「食ってしまおう」と考えた。そして実際に一個を食べ、上司たちの逆鱗に触れたという。
この日のことをメディアに公表したデヴィッドさんは、「見つかることを予期して食ったんですよ、そうすれば(食品ロスについて)話し合いが始まると思ったんです」と告白。

無駄をなくす方向で協議が進むと期待していたというが、内部調査の結果は「物を盗んだ」と判断されて解雇処分を受けたそうだ。
デヴィッドさんは「(解雇されて)がっかりですよ、お客さんもきっと残念に思うでしょうね」「長いあいだ働いたのに、ドーナツ1個のせいで解雇するなんて…」と述べて、悔しさをにじませた。
今後、デヴィッドさんはソフトウェアなどを取り扱う仕事に専念するとのこと。スーパーに対する希望として「この悲しい結果から学んでほしい」と述べ、食品ロス削減に向けての努力を求めている。
この騒動についてコメントを求められたスーパーの代表者は、「店員による在庫消費については規則があるんです」「消費可能な物は無駄に捨てない。また消費期限が近い物は地元のチャリティ団体などに差し出すよう努力しています」と説明。
デヴィッドさんの解雇について詳しく語ることは避けた。食品ロスは世界的に問題になっているが、日本のスーパーなどでは寄付、値引き、発売数の上限設置など地道な努力が続けられている。