イラっとメールランキング2位は「余計なひと言」 – 正しく伝わるビジネスでの文章術とは?

KADOKAWAは2月25日、『社会人になったらすぐに読む文章術の本』(著者:藤???? 豊、小川 真理子)を発売する。

同書はビジネスメール、企画書、報告書、日報、稟議書、プレゼンテーション資料など、ビジネスの現場で日常的に書く文章のすべてが学べる「書き方の参考書」。

第1章では、現役ビジネスパーソン223名(20~60代)に「不快に思ったメールのアンケート」を実施し、ランキング化した。

アンケート対象者が実際に受け取ったメールの一部を例に挙げながら、「どこがNGなのか」「なぜ、イラっとさせてしまうのか」を分析。その上で、「どのように書き直せばOKなのか」改善例を提案している。
○■【イラっとメールランキング】

・1位 「自分都合/一方的」
NG「○日の○時までによろしくお願いします。もし変更のある場合でしたら○時までだったら対応できますので、よろしくお願いします」
OK「お忙しいところ恐縮ですが、○日の○時までにお願いできないでしょうか。難しければ、日程調整をしますので、ご連絡ください」

○改善ポイント
(1)「クッション言葉」を盛り込む
(2)「依頼形(疑問形)」にして、おうかがいを立てる
(3) 相手の都合、状況に配慮する

・2位 「余計なひと言」
NG「以前にもお伝えしたと思いますが、早期発送はできませんのでご了承ください」
OK「納品日の短縮が可能かどうか、あらためて担当部署に確認しました。ですが、○○○○○○といった理由から、期日を早めることができかねる状況でございます。○○様のご要望にお応えできず申し訳ございません。何卒ご了承ください」

○ほかにもあった!「余計なひと言」の例
「通常であれば、もう少し○○○です」「無理にとは言いませんが」「ご存じないかもしれませんが」「言いたくありませんが」「できて当たり前です」「本当に○○○でよろしいのですね」「メールを読んでいただいていますよね」

・3位 「上から目線」
NG「完璧でございます!」
OK「確認いたしました。こちらにて承ります。大変勉強になりました。お忙しい中、ありがとうございました」

○改善ポイント
相手の立場が自分よりも上の場合、「完璧」と評価するのではなく、「自分はどう感じたのか」を伝えます。「勉強になりました」「お手本にします」など、評価を「感想」に置き換えると、目線が下がる。

・4位 「素っ気ない」
NG「現在対応中です。作業中のファイルは○○フォルダに格納してあります」
OK「事前にご連絡せず、お約束の期日を越えてしまい申し訳ありません。○○○○の理由で、お約束した期日に間に合わせることができませんでした。ただ今、対応しております。○日まで猶予をいただけないでしょうか。ご検討いただけると幸いです。なお、作業中のファイルは○○フォルダに格納しております。何卒ご容赦くださいませ」

○誠意を伝える3つのポイント
(1) 非を認めて謝罪(→事前にご連絡せず、お約束の期日を越えてしまい申し訳ありません)
(2) ミスが発生した理由を説明(→○○○○の理由で、お約束した期日に間に合わせることができませんでした)

(3) 対応策を説明(→○日まで猶予をいただけないでしょうか)

・5位 「ケンカ腰」
NG「ほかに急ぎで行うことがあるので、その日できるかはお約束できません!」
OK「○日ですね。じつは、別件の対応中でして、その日は難しいかもしれません。△日であれば対応可能かと思います。お役に立てず申し訳ありません」

○ここが人をイラっとさせる!
受け取り手に「ケンカ腰」だと感じさせるメールの共通点は、「あからさまに拒否はしていないものの、実際には相手を責めている点」。一見丁寧に書かれていながら、書き手の心にある「やっかい」「面倒」「わずらわしい」という感情が透けて見える。

同書では、以下のような人を対象者として想定している。

● 新入社員(入社2、3年の若手社員も含む)
● 就職(就職活動)を控えた大学生
● 部下を指導する立場の社員(ビジネス文書の書き方をアドバイスするときに同書が役立つ)
● 敬語表現に自信のない人
● 書くことに苦手意識のある人
● ブログやSNSで情報発信をしている人
● メールやチャットなど、文章(文字)でコミュニケーションをする機会が多い人

発売は、2023年2月25日。四六判で、ページ数:224P。定価は1,650円。