長野の猟銃立てこもり 16年前の長久手立てこもりと“類似点が多かった”「あの時も警察官ら4人死傷」元愛知県警捜査一課長が語るジレンマと悔しさ

長野県中野市で起きた、凶悪な猟銃立てこもり事件。愛知県長久手市(当時:愛知県長久手町)でも2007年に銃を持った男が民家に立てこもり、警察官を含む4人が死傷する事件が起こりました。
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「人質が危険になる作戦は取れない…」。当時現場で捜査にあたった警察官は、立てこもり事件の難しさを語ります。
2007年。愛知県長久手市(当時:愛知県長久手町)で、銃を持った元暴力団員の男が住宅に立てこもり発砲…警察官を含む4人が死傷しました。
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その時、現場で作戦の立案などに携わったのが、元愛知県警捜査一課長の宇佐美孝一さん65歳です。今回の長野の立てこもり事件と「長久手」の事件は類似点が多かったと振り返ります。
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(元愛知県警 捜査一課長宇佐美孝一さん)「一番は、負傷者が目の前に倒れていて救出に行けなかった」長野の事件では、現場近くで倒れた女性が救出されずに亡くなり、長久手の事件でも、撃たれた警察官が長時間放置される事態になりました。いずれも現場には特殊部隊が出動。そんな中でなぜ負傷者の救出に向かえなかったのでしょうか…。(元愛知県警 捜査一課長宇佐美孝一さん)「負傷者自体が人質そのもの。容易に警察官が近づけば射殺されてしまう無謀な作戦はとれない」
警察が不用意に近づくことで、犯人が人質にとっている負傷者が射殺されるリスクが高くなるのです。そこにジレンマがあったと宇佐美さんは振り返ります。人質の安全を確保できれば、事件は一気に解決に向かいますが、そのタイミングが来るまでに、訓練を受けた交渉人が対応にあたるなど、警察にとっても緊張状態が続くと言います。
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(元愛知県警 捜査一課長宇佐美孝一さん)「長久手の時もそうだったけど、人質がいなくなったら警察は強行突入すればいい。そうなると犯人としては、ボコボコにされる、射殺される恐怖感が出てくる」
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通報で駆け付けた警察官2人を含む4人が亡くなった長野の立てこもり事件。情報が少ない段階での初動対応の難しさが浮き彫りとなりました。
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愛知の長久手事件の最前線で任務にあたった宇佐美さんは、16年が経った今も悔しさをにじませます。(元愛知県警 捜査一課長宇佐美孝一さん)「(殉職は)もう痛恨の極み。今後は現場出向する際に、十分注意しなければいけないという大きな教訓」
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