14日午前、岐阜市の陸上自衛隊の射撃場で18歳の隊員の男が自動小銃を発射して隊員3人が撃たれ、このうち2人が死亡、もう1人が大ケガをしました。 岐阜市にある陸上自衛隊・日野基本射撃場。凄惨な事件を目の当たりにしたのか、射撃場の周りにはうずくまる自衛隊員や、1人で立ち上がることができず、仲間に肩を抱えられる隊員の姿がありました。
14日午前9時ごろ、実弾を使った射撃の訓練中に、18歳の自衛隊員の男が自動小銃を発射。撃たれた男性隊員3人が病院に搬送されましたが、52歳と25歳の男性隊員2人が死亡。もう1人の25歳の隊員が大ケガをしました。
近くに住む女性:「9時24分くらいに、隊員の方のすごい叫び声が聞こえたので。(窓を)閉め切っているんですけど、それでも聞こえたので、たぶん相当大きい声で叫ばれていた。外を見たら切迫しているような感じでした。『おーい』とか『早くしろ』っていうのは聞こえまして、その後に『AEDを探せ』というのは聞いています」 自衛隊から消防に通報があったのは、14日午前9時ごろ。<通報内容>「訓練中に隊員が発砲した。負傷者がいる。」 実弾を使った訓練中に、18歳の自衛隊員の男が隊員に向けて自動小銃を発射。弾丸は3人の男性隊員に命中し、3人は病院に搬送されました。 3人のうち52歳の男性隊員と25歳の男性隊員は搬送時、心肺停止の状態でしたが、病院で死亡が確認されました。もう1人の25歳の男性隊員が大ケガをしたとみられています。 関係者によると、銃弾はそれぞれ脇腹や太ももなどに命中し、死亡したうちの1人は胸を撃たれていたということです。
近くに住む女性:「隊員の方々が外に出られていて、泣いたりとか慰められている方はすごい見たので。でもその時には、まさかこんなことだとは思ってなかったので」 岐阜県警は銃を発射した隊員の男(18)を、死亡した25歳の男性隊員に対する殺人未遂の現行犯で逮捕しました。 男は2023年4月に名古屋にある守山駐屯地に入隊したばかりの自衛官候補生で、事件が起きたのは新人隊員を教育するための射撃訓練中でした。
3年前に射撃場を見学したことがあるという地元の人に聞きました。地元の男性:「奥行きは300メートルぐらいある。撃つ人がおって、別の人が弾を管理しとって、撃つ人を見とる人がおって、それをさらに見とる人がおって、3人ぐらいでやるという説明があった」 事件を受け、陸上自衛隊のトップ・陸上幕僚長が緊急会見を開きました。
陸上自衛隊の森下泰臣陸上幕僚長(午後2時過ぎ):「状況については細部確認中ですが、新隊員教育における実弾射撃訓練中に、自衛官候補生1名が3名の隊員に向けて発砲しました。この様な事案は武器を扱う組織として決してあってはならないものであり、陸上幕僚長として非常に重く受け止めております」 3人は、いずれも新人隊員を指導する『新隊員教育隊』の隊員だったといいます。陸上自衛隊の森下泰臣陸上幕僚長(午後2時過ぎ):「新隊員教育隊は全国各地で行っているところであり、それらを行うにあたって基本的な教育から始まって段階的に実施しているところであり、これまでそういった中でしっかりと陸上自衛官を育ててきたわけではありますが、今回このような事故を起こしたことにあたり、どこに問題があったのかしっかりと調査しその原因究明に努め、こういうことが2度とないようにその教訓を生かして再発防止に努めてまいりたいと思っております」 自衛隊の訓練施設で起きた凄惨な事件。18歳の隊員の動機は明らかになっていません。