水族館「許せない」 『タバコのポイ捨て』被害で水槽の魚9割が亡くなり、悲しみの注意喚起

タバコの吸い殻は、火災の原因の1つ。
捨てる時には、火の不始末とならないよう、水を張った容器に入れるなどの対策が有効です。
とはいえ、水が張ってあればどこに捨ててもいいわけではありません。
京都市右京区にある花園教会水族館は、許しがたい出来事が発生したとして、2023年6月27日にTwitterアカウント(@mokusokai)を更新。
野外水槽のコイや金魚が立て続けに亡くなったため、原因を調べるべく水槽内を調査したところ、1本タバコの吸い殻が見つかったといいます。
タバコに含まれるニコチンは殺虫剤にも使われる毒性の高い物質であるため、たった1本でも野外水槽内のほとんどの魚が亡くなってしまいました。
同水族館は再発防止のため、野外水槽があった場所に貼り紙を設置し、タバコが生き物に与える影響について注意喚起をしました。
また、魚が亡くなった深い悲しみを、貼り紙内で次のようにつづっています。
野外水槽は誰もが楽しく、特に子供たちに見てほしいと10年以上前から設置させていただきましたが、こんなことは初めてで誰が捨てたのかが現時点では分かりませんので展示中止を選択するほかありませんでした。
楽しみにされている方、特に毎日見に来てくれた子供たち、本当にごめんなさい。
花園教会水族館は、クラウドファンディングに支えられながら、世界の淡水魚や爬虫類など190種類を展示してきた私設の水族館。
捨てられたり、高齢で飼いきれなくなったりした生き物を引き取って、命の大切さを学びながら、近隣の子供たちが世話をしています。
同水族館によると、「タバコの被害に遭った魚は、稚魚から手塩に育ててきた子たちや、飼育放棄で引き取った子たち」とのこと。
愛情を注いできた魚が次々と亡くなったこと、また誰かのポイ捨てによって引き起こされた悲劇だという事実は、子供たちの心を少なからず傷付けたことでしょう。
同水族館の注意喚起は人々に衝撃を与え、「子供たちの心情を思うと胸が苦しい」「水槽はゴミ箱じゃねーぞ!」などの声が上がっています。
・水槽にタバコのポイ捨ては、我が家でもやられたことがあります…。全滅で喪失感が半端ない。
・ポイ捨てした人は、確実に消火できるよう配慮したつもりか。そもそもタバコのポイ捨て自体がダメだ。
・マナーは、生き物の命を守る側面もあるのですね。亡くなったお魚さんたちのご冥福をお祈りいたします。
・自分は喫煙者側ですが、本当にこういう行為はやめてほしい。
なお、原因が判明してから、同水族館では緊急で生き残った魚やカメたちを別の水槽に移す作業を行ったそうです。
万が一、生き物や同水族館に悪意を持っている人が、故意にポイ捨てをした可能性まで考慮しての措置。
鳥のサギや猫、ハクビシンなどの生き物から野外水槽を守る闘いを経験した同水族館も、人間に警戒する日が来ようとは思わなかったでしょう。
人間を含む多様な生き物たちのため、ゴミのポイ捨ては水槽に限らず、あらゆる場所で自制すべき行為です。
人々のマナーが向上し、むやみに命が失われない環境につながることが望まれています。
[文・構成/grape編集部]