ANA、来年1月から1日30便減便へ 一部機体のエンジン点検のため… でも「安全性には問題なし」 対象は33機

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ANA(全日空)が2024年1月10日から3月30日までの期間、国内線・国際線あわせて1日あたり約30便を減便すると発表しました。減便率は3.6%で、エアバスA320neo・A321neoに搭載しているエンジンである、プラット・アンド・ホイットニー製「PW1100G-JM」の点検作業を実施することに伴ったものとしています。
ANA、来年1月から1日30便減便へ 一部機体のエンジン点検…の画像はこちら >>ANAのエアバスA320neo(乗りものニュース編集部撮影)。
対象となる機体は、A320neo11機、A321neo22機の計33機。プラット・アンド・ホイットニーは、2015年10月から2021年9月までに製造されたPW1100G-JMエンジンの内部部品において、製造過程における材料の処理に問題(粉末冶金の製法時における不具合)が発生している可能性がある旨を発表。この製法で製造された部品を使用しているエンジンにおいて、定められた使用期限内に点検・部品の交換を要するとのことで、ANA機の点検作業はこれを受けたものとなります。
ANAでは、定められた使用期限に近い機体から1月より順次エンジンを取り外し、当該部品(高圧圧縮機のディスクと高圧タービンのディスク)の点検、交換を実施します。作業はプラット・アンド・ホイットニーが手配するエンジン整備工場で実施され、エンジン1台あたり250日から300日の作業期間を要する見通しとのことです。
ANAは同時に、今回の対象機について、安全性への影響はないとし、次のように説明しています。
「これらの非破壊検査を含む点検や部品交換といった追加対策は、P&W社の最新の解析結果に基づく不具合抑制のための対応強化策で、点検または交換期限も安全上の余裕をもった設定となっています。よって、その期限到達までの間、引き続き安全に運航することができます」
「また、対象エンジンは、その期限に到達する前までに機体から取り外し、エンジンを外した機体には追加対策を施したエンジンを取り付けます。この対応を継続することで、運航時における不具合の発生リスクはなくなり、安全性への影響はありません」
減便対象となる路線は羽田~新千歳、福岡、伊丹線、福岡~那覇線、羽田~ソウル線など。減便対象となる便は、同日・同路線に変更可能な便がある路線を中心に決定したとのことです。また、一部の路線では、提携航空会社であるスターフライヤー・ソラシドエアが臨時便を134便設定し、コードシェア(共同運航)を行います。