[人物地帯]沖縄弁護士会長に選出 野崎聖子(のざきせいこ)さん その人が「よりハッピー」になるのはどんな状態か、どうすれば心が軽くなるのか-。依頼者と向き合うとき、常に考える。裁判の勝ち負けや法的手続きが全てとは思わない。「法で解決できなくても、寄り添って考え、少しでも幸せな気分にする。それが第一歩です」。柔和な笑みに、しなやかで強い芯が浮かぶ。 宮古高校から琉球大学法文学部法政学科に進学し、弁護士を目指し始めたのは卒業後。「遊びほうけていた」大学時代は、「時間が止まっていた」と笑う。 高校時代から交際していた夫で税理士・公認会計士の友利健太さん(50)の大学院進学に合わせて上京を決意。専門学校で猛勉強し、4度目で司法試験に合格したが、甘く見ていた「世間知らずの自分を恨んだ」。 東京の大手法律事務所へ就職後、企業法務を中心に扱った。朝出勤し、午前3時ごろに帰るのは当たり前の日々。長女出産後、子育てと仕事のバランスに悩む中、夫の転勤を機に2006年、沖縄へ帰ってきた。 離婚やDVなど家事事件も扱い、依頼者と一緒に泣くこともある。「目の前の具体的な一人一人に寄り添うタイプ」だからこそ、会長就任後も気負わず、一つ一つ積み上げるだけだと抱負。今までのスタイルと同じ自然体を忘れない。 趣味は、草むしりと家庭菜園。兼業農家の生まれとあって「根っこまできれいに抜けると、気持ちいいんですよ」と気さくに笑う。宮古島市城辺出身の49歳。(社会部・新垣玲央)依頼者を幸せにするため寄り添う 柔和な笑みとしなやかで強い芯…の画像はこちら >>