「子供部屋おじさん」5億貯めた人も… 実家に戻った40代男性語る「両親と食事、あと何回?」

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大人になっても実家の子供部屋に暮らす中年男性のことを意味する、ネットスラングの「子供部屋おじさん」。これまでも幾度となく社会問題と合わせて取り沙汰されてきたが、21日のツイッターで再びトレンド入りし、ユーザーからさまざまな声が集まっている。
そもそも「子供部屋おじさん」とは、平成の時代に日本最大級の匿名掲示板・2ちゃんねるで提唱された造語だ。2019年に『週刊朝日』の流行語30選に入選し、一般的にも広く周知される言葉となった。
メディアでも数多く取り上げられ、見方によっては晩婚化や引きこもり、就職氷河期の原因として根深い社会問題の1つともされているが、同掲示板の創設者である「ひろゆき」こと西村博之氏は、過去に「給料の低い20代は、無理に実家を出る必要はない」と肯定的な考えを示している。
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22日、そんな「子供部屋おじさん」が突如ツイッターでトレンド入り。
「実家から働ける条件なら、お金は節約できるし、一番うらやましい働き方」「少年のような気持ちを忘れずに、好きなことして生活する。誰にも迷惑かけず、楽しく生きる。人の人生に文句言う権利は誰にもないよ」「私も実家ぐらしです。子供の頃から同じ部屋に住んでます。理由は将来超富裕層になるため。資産5億円です」など、肯定的な意見をはじめ、目標のために子供部屋おじさんを実践(?)している人の声が相次いだ。
しかし、やはり子供部屋おじさんの印象はまだまだネガティブな意見が多いもの…。

そこでSirabee編集部の記者、自称“結婚バージン”こと40代男性S氏にこの事態を伝えてみたところ、「子供部屋おじさんで何が悪い!」と鼻息荒くいきり立つ。
一度は一人暮らしをしていたS氏だが、「コロナになってから自宅に戻りました。ちょうどウエンツ瑛士が、親孝行のため実家で生活し始めたと話しており、確かに自分も親孝行できていないな、と感じ実家に戻ったのです」とコロナ禍で両親のことが気がかりになったのがきっかけという。
「当時は外出制限がある頃とあって両親はすごく喜んでくれて、以降給料の半分くらいを自宅に入れています。親の収入がすでになかったので、みんなを支えているという自負、さらにはやっぱり慣れ親しんだ実家料理に安心感がありました」と話す。
そうして実家での生活を始めてみると、「子供部屋といっても勉強机やベッドなど過去の家具はすべて捨て、新しい物に変更」「仕事もテレワークになったので外出しないとあり、同じ空間で大勢で住んだほうが経済的です」とそれなりの自由や金銭的な面においてもメリットは大きかったとのこと。
一方で「やはり両親も年をとったのか、些細なことで口論することが増えましたね」と衝突もあり、親との関係に変化を感じたそう…。
「学生時代は両親から教わることが多かったですが、今はどちらかというと両親にアドバイスする立場。『なんでそんなところで悩むの?』『そんなところで買うんじゃなくてここで買えばいいじゃん』など、職場のテンションのまま余計な口出しをしてしまい…」と悩むことも多々あるが、それでも「トータルしても、帰ってきてよかったと思います」と話していた。
「子供部屋おじさん」と揶揄され、ネットを中心に幾度となく議論にあがることについては、「余計なお世話」とS氏。続けて、「子供部屋おじさんだからかっこ悪い、モテないなどの声があると思いますが、家族を大事にし、親孝行することがかっこ悪いことなのでしょうか」と反論の弁も。
たしかに人生折り返しも近い中年層の余生において、両親と過ごす時間は無下にはできないもの。
「両親と食事をする回数は、あと何回でしょうか? 年1回しか地元に帰らない人がいたら、それは20回か30回程度かもしれません。しかし実家にもどれば若き日の日常が過ごせます。かけがえのない時間を大事にしたい、そんな人もきっといると思うのです」と強調していた。
そんなS氏だが、今年5月に引っ越しをしたと報告も。現在は「脱こども部屋おじさんなのです」とのことだが、移り住んだマンションも実家の近くで、「両親に何かあった際にすぐ駆けつけられるように」配慮したものだという。
家庭の事情や、個人の考えはさまざま。当事者やそのまわりの人々が幸せであれば、家族の形が変化に富んでいることは本来何ら問題ではないはず。ましてあらゆる面で“多様化”が求められる現代社会において、おじさんの暮らしもその1つといえるだろう。