「神の命令」と家族を惨殺した死刑囚 精神喪失状態と判断した弁護士が減刑要求

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妻と子供たちを殺害し、死刑を言い渡された男。しかし自らの眼球をくり抜くなど普通ではない行動に及んでいたこと、そして弁護士が「死刑は妥当ではない」と考えて減刑を求めていることを、『The Daily Star』など海外メディアが伝えている。
2004年のこと、当時21歳だった男がアメリカ・テキサス州で恐ろしい事件を起こした。不仲になっていた妻(20)、息子(4)、そして娘(1)を刺殺し、子供たちの遺体から心臓を切り抜いたのだ。
この件で逮捕された男は事情聴取を受け、「神に殺害を指示された」と供述。殺害した3人については「悪魔だと信じている」などと話した。
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男は長いあいだ依存症や貧困に苦しみ、統合失調症を患うようになっていたという。それでも当局は「悪いことをしている自覚は十分あった」「ドラッグ依存で精神状態を悪化させた」と判断。その結果、男は2005年に第一級殺人罪で有罪判決を受け死刑囚となった。
その日から男は、精神疾患を抱える多くの囚人が暮らす刑務所で生活してきたが、症状は良くならないまま。死刑は4月5日に執行される予定だ。
男は刑務所で自分の眼球をくり抜き、ひとつを食べていたことが判明。その理由については、「知事に自分の思考を聞かれたくなかった」などと意味不明な説明をしたという。

また刑務所では絶えず幻覚を見ている状態で、聞こえるはずのない声が聞こえるとも話している。
この男は子供の頃から精神的に極めて不安定で、9歳の頃には幻聴に悩むようになり、10歳の頃には自殺を試みたこともあったそうだ。
弁護団は男の精神状態が非常に悪いことを考慮し、知事たちに対して終身刑への変更などを求めた。多くの精神科医たちが男の状態を確認して精神喪失状態であると判断し、死刑には値しないと考えたためだ。
これについて一部メディアは知事にコメントを求めているが、まだ返事はないという。裁判所の考えについても明らかになっていないが、世間からは「精神的な病気であったとしても許されない罪を犯した」「遺族の気持ちを忘れるべきではない」という声もあがっている。
(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)