グーグル、千葉・印西にデータセンター アクセス高速化、高度な安定性 稼働始まる

世界最大手のIT企業、米グーグルが日本国内で初めて整備した千葉県印西市の「データセンター(DC)」が13日、稼働した。開所式も行われ、奥山真司グーグル日本法人代表は「デジタルの恩恵をさらに多くの人に広げていきたい」とあいさつした。同社によると、2024年までにDC整備を含め総額1千億円を日本に投資。DCには検索機能やユーチューブなど同社サービスの全てが集積し、アクセスの高速化と高度な安定性を実現したという。
開所式には、ラーム・エマニュエル駐日米大使や熊谷俊人知事、板倉正直印西市長らが出席し、リボンカットのセレモニーを行った。
DCは機密事項が多いため、規模や構造、従業員数などは非公表。内部にはサーバーやネットワーク機器を配置し、日本を中心とした国内外のデジタル化の加速に貢献するとしているが公開しなかった。外観は同社のコーポレートカラーである4色の線でデザインされている。
平均より高い温度で稼働するため、機器を冷却するエネルギー消費を節約できる。外気温を用いた冷却システムも導入し、寒冷期に用いるなど環境負荷を最小限に抑える設計とした。
また、同社は開設に併せて県内在住の児童生徒を対象としたデジタル教育の支援も行う計画で、今夏から実施する予定。
開所式で、エマニュエル駐日米大使は「日本の将来はますます確実なものになる」とあいさつ。熊谷知事は「成田空港、千葉港に続いて、世界に開かれたデータのゲートウェイが設置された」と歓迎した。
同日午前の定例記者会見では「千葉県でのIT人材の輩出にも貢献してもらいたい」と述べていた。
同市は都心から近く、下総台地の強固な地盤などから企業進出が続いており、国内随一のDC集積地として知られる。今回稼働した印西のDCは20年に着工。同社は昨年、日本社会のデジタル化を支援する「デジタル未来構想」を発表。DCの開設と稼働はその一環と位置付けている。