【千葉魂】千葉ロッテ松川 2軍で再出発 「でっかくなって戻ります」

プロ入り初の二軍落ちとなった。松川虎生捕手が4月13日に一軍登録抹消となった。プロ2年目で初の事だった。
プロ1年目の昨年は3月25日、仙台で行われたイーグルスとの開幕戦で8番・捕手でスタメンに名を連ね、チームの完封勝利に貢献した。高卒新人捕手の開幕スタメンはプロ野球史上3人目の快挙だった。そして4月10日のバファローズ戦(ZOZOマリンスタジアム)では佐々木朗希投手完全試合のゲームでマスクを被り、さらに脚光を浴びた。最高のスタートを切ったプロ野球人生。しかし、さらなる飛躍を目指し挑んだ2年目。スタートから、もがいていた。5試合に出場して7打数1安打の打率は1割4分3厘。守っても盗塁を4回試みられ、4回とも盗塁を許した。結果が出ずに苦しむ日々に、首脳陣は下した決断は二軍行きだった。4月12日、ベルーナドームの試合後に吉井理人監督は個室に松川を呼んだ。
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「松川にとっては受け入れがたい決断をすることになった。二軍にいってもらう。ただ、これは君にとって必要な時間と判断しての事だ。今は一歩下がることになるかもしれないけど、これは将来大きく前に進んでもらうための決断だ」
指揮官は19歳の若者の目をしっかりと見ながら、説明をした。課題やどのようなことに取り組んでいくのか。ゆっくりと話をした。その時の松川の表情を「納得した雰囲気。自分がしなくてはいけないことを分かっていて主体性を持って、自分で考えて進んでいくという決意。そういう表情をしていた」と評した。

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一軍では試合が最優先で、なかなか自分の時間を作って練習に取り組むことができないが、二軍では、たっぷりと練習に打ち込む時間がある。指揮官は打撃の課題やキャッチャーとして守備を磨く事などを二軍首脳陣としっかりと話し合いながら、見つめ直してくれることを期待している。そしてもう一つ、吉井監督が二軍で学んでほしいことがある。
「ベテランで実績十分の美馬(学)や佐々木朗希などはちょっと配球が間違っていても、それをカバーしてくれる力がある。ただ、二軍ではまだまだの投手もいる。コントロールが定まらずに苦しんでいる時にどうするか。ボールの精度が悪い時にどのようにリードをしてあげるべきなのか。これからはピッチャー陣を引っ張っていく存在になってほしい。そういう意味では色々なピッチャーの色々な状況に置いて苦心しながらリードをすることはとても勉強になると思う」と説明する。
松川は「全てにおいてでっかくなって戻ります」と再出発を誓った。吉井監督は毎日、必ず二軍戦の映像をチェックし、二軍からの報告を受けている。次代の若き正捕手がこの二軍行きをきっかけにどのように成長し、はい上がって戻ってくるかを楽しみにしている。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)